広報にほんまつNo.135
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5Nihonmatsu City Public Relations, 2017.2, Japan削蹄をする前、牛舎内を見渡しながら、静かに牛の表情や蹄の様子をチェックする稔貴さん。牛たちはピクリともせず、そばで見ていると、稔貴さんと牛たちが心の声で会話しているように見える。▶牛削蹄の魅力を若い人に知ってもらいたい 「牛が何をして欲しいのかを考えながら、一頭一頭形が違う牛の本来の蹄形に削蹄すること。」 削蹄という仕事の魅力について、稔貴さんはこう話します。牛の蹄を切りながら、稔貴さんは常に心の中で牛に話し掛けています。 稔貴さんに今後の抱負を伺うと、「今回全国優勝できたが、そのことは意識せず、今までどおり精進していきたい。また酪農や畜産などには若い世代の人が少ないので、少しでも興味を持ってもらい、その中で削蹄師という仕事も考えてもらえればうれしい」と話していました。仕事場では、あくまで親方 父と2人きりの職場。20代の青年にとって、そこには恥ずかしさも少しはあるのではないかと、今回取材に伺う前は思っていました。しかし牛舎で目にしたのは親子ではなく、プロ同士の真剣なまなざしで作業をする親方と弟子の姿でした。 一人の人間として仕事場で接することができることは、普段何気ない会話をするときでも、お互い腹を割って話すことができるのだと、休憩中の会話から伺い知ることができました。息子へ  俺一代で終わりだと思っていたが、お前が後を継いでくれたことで、俺も農家の方々も少しは安心できる。これからも日々勉強して、健全な牛を管理していってくれ。親父へ  今の自分があるのも、多くの方々の支えがあり、そして親父がいたから。本当に感謝しています。これからも、ご指導よろしくお願いします。

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