広報にほんまつNo.159
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6広報にほんまつ 2019.2Interview  インタビュー思い切って消防団に入団して本当に良かったー2年前に消防団を退団した今の私の率直な感想です。 私は結婚して子どもができたのを機に、今住んでいる行政区へ引っ越して来ました。いわば「よそ者」です。長女が小学校へ入学し運動会を見に行ったときのこと。地元消防団の人たちが法被を着て集団で運動会に参加していたので、正直怖くて近づけなかったのを今でも覚えています。 消防団に入団したのは、その翌年のこと。長女の同級生の親からの誘いがきっかけでした。仕事も忙しく悩みましたが、よそ者だからこそ、地元に積極的に関与したほうが良いと思い決断。あれから10年以上が経った今では、地元にたくさんの仲間ができ、違う行政区との付き合いも増え、昔からここに「よそ者」だからこそ、消防団に入るべきだと思います平成28年3月退団尾お形がた 伸しん也やさん(44歳)=会社員= 安達地区隊第2分団第1部に8年間所属し、部長を2年間勤め退団する。尾形さんが退団するときの屯所前での集合写真。最前列2人が退団者の代わりに入団した新入団員で、2列目スーツ姿の2人が退団者(尾形さんは2列目左から4人目)。写真に写る全ての人が、尾形さんにとっての生涯の仲間となる。学校を卒業してすぐ、民間のカーディーラーに就職しました。仕事が忙しいときに消防団の勧誘があり、実は2度ほど断り、3回目の勧誘で入団しました(笑)。消防団に入団してしばらくしてから、家業の自動車整備工場で働くようになったのですが、うちのお客さまは地元の人が多いので、接客中に火災が発生すると、『早く現場へ行け』と言っていただけます。本当にありがたいことで、消防団活動へのご理解にいつも感謝しています。 私が現在部長を務めている消防屯所には、市内で1番多い37人の団員が所属しています。消防団は火災現場などでは勝手な行動をとれません。それは、下手をすると命取りになるからです。だからこそ現場では、団員たちへ指示をすることに最大限の注意を払うようにしています。 消防団活動は自分の時間を犠牲にする部分もあるため、負担が無いと言っては嘘になります。しかしそれ以上に、いろいろな人との「タテ・ヨコ・ナナメ」全ての関わりが増えるのは消防団員だからこそで、私の場合は、その人脈が仕事にも生かされています。団員の勧誘があった際は、ぜひ入団してみてください。私の父も消防団員をしていました。だから自分も、当然消防団に入るものだと小さい頃から思っていました。逆になかなか勧誘に来てくれなかったので「早く入りたいなー」と思っていたくらいです。昨年4月の入団当初は、消防の基本動作やポンプ車の操作など、当然ですが分からないことだらけでした。しかし消防屯所内の雰囲気がとても良くて、先輩団員たちが本当に親切にいろいろ教えてくれ、すごく感謝しています。 消防団に入って感じたことは、団員間の仲間意識がすごくあるということでした。困っている人がいれば、話を聞いてあげたり力になってくれたりといった具合に。消防団はただの知り合いではなく、ちょっと踏み込んだ知り合い(仲間)を増やせる場所なんだと1年間活動してみて実感しました。だからなのか、それまでたまに感じていた孤独感というのが、今では全く感じられません。 4月には新入団員も入ってきます。自分がしてもらったように、後輩団員たちにいろいろ教えられるよう、もっとたくさんのことを覚えていきたいです。消防団員になれたことで、兄弟が増えたような気がしています安達地区隊第2分団第1部部長遊ゆ佐さ 一かず茂しげさん(40歳)=自営業・平成19年4月入団=消防団での人のつながりが、自分の仕事にも生かされています安達地区隊第2分団第1部団員佐さ藤とう 寛ひろ利としさん(32歳)=会社員・平成30年4月入団=住んでいたような気でいます。 消防団を退団してすぐは、「火災のサイレンが鳴ったらすぐ現場へ行かなければならない」という使命が無くなり肩の荷は降りましたが、やはり物寂しさを感じました。これからは消防団OBとして、現団員の活動を陰ながら支えていければと思っています。

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