広報にほんまつ No.144
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昔ばなしと今の話あなたを狙う   だましのプロ詐欺にだまされないだましのプロはもう、僕じゃない。―むかしむかし、ある山に、化けることに関しては天下一品の悪賢いタヌキが住んでいました。このタヌキは、さまざまな人間に化けては、何度も付近の村人をだまして悔しがらせていました。―化けて人間をだましたり、イタズラしたりする化けタヌキの話は、日本各地に、さまざまな昔ばなしや童話として伝わっています。そしてこれは今のお話。 「俺だよ、オレオレ」などと言葉巧みに息子に成り済ます、だましのプロ。電話をかけ「交通事故を起こして示談金が必要になった」などとウソの急用を訴え、現金を預金口座に振り込ませるといった、悪知恵が働く人間の〝振り込め詐欺〟が後を絶ちません。昔ばなしでは悪者のイメージが強いタヌキですが、助けてくれた人間に恩返しをするといった話も少なからずあるようです。しかし、人間の〝振り込め詐欺〟は、決して恩返しすることはありません。葉っぱを一枚、頭の上に載せて、くるりと宙返り。人間に化けて、ちゃっかりご馳走をいただく化けタヌキ。しかし、今ではそんなご馳走だけの被害では済みません。悪質業者は、だましのプロ。さまざまな方法で私たちの油断を誘います。健康の不安や家族の問題といった、人の心の弱みに付け込んだり、公共機関の職員を演じたり…。たった電話一本で、あなたの大切な財産を全て奪われかねないのです。     2広報にほんまつ 2017.11特集

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