広報にほんまつ No.135
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家業を継ぐということ若者が夢を抱ける農業若者の活躍がまちを元気にする自営業者にとって、自分の子どもにらずあるはずです。しかしそれは強要できるものでもありません。靖雄さんも自分の代で削蹄師という仕事は終わりだと思っていました。息子の稔貴さんも、自分に子どもができても削蹄師をやらせたいとは思ってはいないようです。しかし会社勤めのサラリーマンなどと違い、家業を営む親の姿というのは、常に働く姿を目にしているため、子どもにとっては一生忘れることができないものとなり、いざ自分の進路を決断する岐路に立ったとき、必ず家業の選択肢が脳裏をよぎるのではないでしょうか。それは重圧にもなるものですが、いろいろな経験を積み、その重圧を跳ねのけられれば、稔貴さんのように、将来の選択肢を広げられる大きな財産になりうるのだと思います。現在県内には、牛削蹄師が54人ほどいますが、そのうち20代は2人で30代は4人と、深刻な後継者不足になっています。この問題は他の農業分野でも同じで、すぐに解決できるものではありません。しかし今回の稔貴さんの活躍のように、若者が地元で頑張る姿は、このまちに元気を与えてくれます。 「こ頑の張一れ言よを」、稔貴さんは仕事で農家へ行くたびに掛けられるそうです。農業を営む誰もが後継者不足を認識しているからこそ、頑張っている若者に自然と声を掛けてしまうのだと思います。考えていきます。▲削蹄を依頼した酪農家の方(写真中央)と武藤さん親子の休憩中のひとコマ。靖雄さんとは30年来の付き合いで、靖雄さんの削蹄のおかげで、駄目だと思っていた病気の牛が回復した時のことを懐かしげに話していた。▲昨年9月、市内の全農家を対象に実施された「農業者アンケート」調査結果。稲作や畑作、畜産などの全ての農家が対象となるこのアンケートで、後継者がいると答えた方は全体の約4分の1に満たない。※調査結果は市ウェブサイト等で公開します。る 「よ若う者、が市夢もを農抱家けのる方農と業一」を緒に育な成っでてき     家業を継がせたいという思いは少なか問:あなたの農業経営に後継者はいますか?未回答1.8%いる 24.8%いない73.4%

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