広報にほんまつ No.141
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登校とは、『学校に行きたくても行けない状態』のことを言います。大人の目から見ると、「病気やケガ、経済的理由もないのにどうして学校に行かないの?怠けじゃないの?」と思いがちですが、そうではありません。不登校のお子さんは、学校に行けないことへ大きな悩みを持っています。学校行事に参加できたり休  不 日に外出したりできるのに、いざ学校へ行くとなると足がすくんでしまう場合などもあります。このような場合、同年齢集団への不安(いじめによるものではなく)が不登校の原因となっているようです。家族や、普段あまり接していない人たちと関わりを持つことは大丈夫なのですが、同級生や先生などには不安を感じているのです。このようなお子さんに、『学校へ行け!』と強制しても登校できないことは、お分かりいただけるかと思います。では、どうしたら学校に行けるかということになりますが、さまざまなケースがありますので一概には言えません。しかし、不登校で悩んでいるお子さんの多くは、自分に自信が持てずにいるようです。自身を持たせるには、その子の「良さ」を認めてあげるとともに、その「良さ」に気付かせてあげることが大切です。「ふれあいスクール」では、一人一人の実態に応じた学習指導やさまざまな体験活動を通して、自分の「良さ」に気付かせることで自信を持たせ、学校への復帰を支援していきたいと考えています。スクールソーシャルワーカー(以下「SSW」)として二本松市で勤務となり、地域における関係機関との取り組みの大切さを感じながら、学校を基盤とした『協働』を心掛けて現在活動しています。 『きょうどう』という字がさまざまある中で、この『協働』は、現場のニーズや地域の特性を生かし、異なる組織や専門家が、多様化・個別化していく問題に協力し合って取り組むことを意味します。 SSWは問題の解決に向けて、学校に在籍する子どもさんやそのご家族はもちろん、学校の先生や病院などの関係機関、地域の方々と協働します。 問題を抱える子どもを取り巻く環境とそれを支える社会を概観すると、互いに歯車がかみ合っていないことが多いように感じます。そうした観interviewSSW(スクールソーシャルワーカー) 池いけ田だ 奈な央お さん東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻修士課程を修了。知的障がい者の授産施設で生活支援員として活動する。社会福祉士や音楽療法士の資格を持ち、現在はSSWとして、県北管内の教育支援センターなどで活動している。点から、歯車がかみ合うように支援をしていくことで、教育と地域との協働が生まれ、より良い支援につながると考えています。 私がSSWとして活動していると、スクールカウンセラー(以下「SC」)との違いについてよく聞かれます。SCは子ども個人の心のケアに重点を置く専門家です。それに対しSSWは、学校や家庭、児童相談所、病院などといった、子どもを取り巻く複数の関係機関とのつなぎ役となり、情報提供や調整を行います。SSWとして活動していく上で、子どもを取り巻く環境(関係機関)の役割を明確化することを大切にしながら、日々活動しています。 子どもの最善の利益を軸に、子どもたちやそのご家庭が孤立しない環境づくりを、常に心掛けていきたいと思います。interview教育指導員 菅すげ野の 藤ふじ雄お さん昭和57年4月に船引町立石森小学校で教員生活をスタートさせ、今年3月に二本松北小学校の校長を最後に退職する。『笑顔で、仲良く、元気に』そして『自立』を教育の中心に据えて実践してきた。教育支援センターでは、さまざまな体験活動を通して自分の「良さ」に気付かせ、一歩目を踏み出すきっかけになるよう支援していきます

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