広報にほんまつNo.129
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5Nihonmatsu City Public Relations, 2016.8, Japanこれで終わらせない二本松がこれから進む 新たなステージとは農業や商工業、そして地域おこしの新たな方向性と「観光振興」の関わり 「観光」という言葉を耳にすると、その恩恵があるのは「レジャー施設」や「土産物店」、「飲食店」といった商業を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、決してそれだけではありません。 例えば土産物の場合、その原材料を地元で調達すれば、農業や工業といった業種にも利益が生まれます。地元でとれた農産物を直売加工する農業6次産業化なども観光振興施策の一つで、市内へ訪れた観光客に購入してもらい、その〝おいしさ〞ゆえにまた訪れてもらうことも、農業や商業の活性化につながることになります。 また観光客が増えれば、おしゃれなお店や飲食店が増えます。そうなれば、わざわざ市外へ出かけなくても、市民の方が気軽に近くで楽しめるようになります。その結果、私たち市民一人一人が「二本松は住みやすいまち」と思えるようになり、市外への人口流出が抑えられ、地域おこし、さらには新たな市民の増加や雇用の拡大などの好循環が生まれることになります。観光まちづくり 全国で人口減少が進行し、地域内消費の減少が今後進んでいくことが予想される中、観光による交流人口の拡大は、前述したように新たな産業を生み出すばかりか、地域活性化にもつながります。 そうした中で、航空網の発達やインターネットの普及により、国内ばかりでなく世界中の観光地で誘客競争が激しさを増している現在、二本松市をさらに元気にしていくためには、確かな戦略や戦術が必要不可欠となります。 そこで必要となるのが「DMO(ディー・エム・オー)」という組織です。この組織は、銀行や民間企業、市民などが出資し設立する新たな法人のことです。 例えば行政が主体となり商品を売り込む場合、特定のお店のものだけを売り込むことは平等性に欠けてしまい難しくなります。 しかしこの組織では、観光による消費額や雇用者数、税収の推移といった地元の経済効果や、どのような人が何のために訪れたかなどを専門家が徹底的に調査し、常に顧客の需要を把握するため、利益が見込まれるものをどんどん売り込むことが可能となります。 また観光産業だけでなく、市内の農業や工業、そして市民などが一体となって観光振興に取り組めるよう調整し、各分野でそれぞれが活躍できるようにすることで、地域全体が元気になり、市が目指している「観光」と「まちづくり」を統合して進める「観光まちづくり」が実現できることとなります。 市では今年、この「DMO」を組織する準備を進めています。「住んでよし」「訪れてよし」の二本松 市内には、新たな試みを続ける企業や農業者、市民などがたくさんいます。市では、設立予定の「DMO」を中心に、そういった意欲ある方々と連携しながら地域全体を盛り上げ、市民一人一人が幸せを感じられるような「住んでよし」「訪れてよし」の二本松を、今後も目指していきます。今からおよそ5年5カ月前。東日本大震災および福島第一原子力発電所事故が起こりました。それからの福島県内は風評被害に苦しめられ、震災が起こる前から人口減少が問題となっていた中、自主避難などにより県外への人口流出が後を絶たず、二本松市も例外ではありませんでした。そのような中で行われたデスティネーションキャンペーン。二本松市内の各地に点在している優れた観光資源を「二本松の観光」という一つの線にすることで、観光客を呼び込み交流人口を増やし、またこの地域に再び活気を取り戻すため、市および関係団体と頑張ってきました。その結果、この3年間のキャンペーン期間中、市内外から多くの観光客を呼び込むことができ、市内の各地域でも徐々に活気が戻ってきました。しかし二本松をさらに元気にしていくのはこれからです。この良い流れをここで終わりにするわけにはいきません。国が掲げる地方創生の波に乗り、今年作成した「二本松を元気に!新5カ年プラン」のもと、観光だけではなく「農業」「商業」「工業」などの全てにおいて新しい方向性を見いだしながら、新たなステージに挑んでいきます。DMODestinationデスティネーション目的(地)Marketing/Managementマーケティング/マネジメント商品・サービス等の調査/経営・管理Organizationオーガナイゼーション組織

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