広報にほんまつNo.145
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5Nihonmatsu City Public Relations, 2017.12, Japan胸骨圧迫(続き)ひじを真っ直ぐ伸ばし、体全体で胸を押す。1分間で100~120回の早さ、深さ5㌢程度の強さで、絶え間なく押し続ける。ベッドの上などは力が逃げてしまうので、硬い床の上などで実施する。心肺蘇生法の流れ救急隊を待つ間に居合わせた私たちが救命処置を行うと、救命の可能性が、処置を行わないときと比べ2倍程度高くなることが分かっています。そこで心肺蘇生の手順を、消防本部の職員に実演してもらいました(説明は成人に対する処置)。安達地方広域行政組合消防本部警防課 救急担当消防司令 菊きく地ち 秀ひで夫お さん救命を左右する10分間ためらった時間の分 助かる可能性が減ることに… 119番通報を受けてから、救急隊員が現場に到着するまで約10分。何もせずに救急車の到着を待つのか。それとも、ためらわずに心肺蘇生を行うのか。どちらを選択するかで、大切な人の救命が大きく左右されます。救急車到着まで約10分 消防署の講習会などで使われる「救命の可能性と時間経過」によると、心臓と呼吸が停止したときに救命処置をしなければ、5~6分間で助かる可能性が10数㌫まで下がるとされています。胸骨圧迫(心臓マッサージ)やAEDによる除細動などの救命処置を行った場合は、約30㌫まで助かる可能性が上がるそうです。 平成28年の安達管内のデータでは、119番通報を受けた救急隊員が現場に到着するまでにかかる平均時間は、約10分。時間の経過により救命の確率が下がることから、現場に居合わせた人の迅速で適切な救命処置が、いかに重要かが分かります。絶え間ない胸骨圧迫を 心肺停止状態で倒れた人は、一刻一秒を争います。救急隊員が到着するまでの時間、居合わせた人の行動次第で、その人の運命が大きく変わります。 人工呼吸や胸骨圧迫の心肺蘇生の意義は、酸素と血液を身体に循環させることです。人工呼吸は空気を肺に直接送り込むので大きな効果が期待できますが、ためらう人も少なくありません。しかし心肺蘇生が遅れることがあってはなりません。 胸骨圧迫は血液を身体に循環させ、脳の障害防止に効果があります。人工呼吸ができない場合やAEDのない場合は、胸骨圧迫だけでも行ってください。手順や手技の正確さよりも、ためらわずに心肺蘇生を始めることが大切です。救命講習を受けましょう 安達広域消防本部では、救急救命の裾野を広げるために、救命講習を実施しています。心肺蘇生の方法やAEDの使用法、出血時の手当てなどが学べます。職場や地域に出向いて講習会を開くことも出来ますので、ぜひ一度ご相談ください。 万一の際、大切な人や家族の命を救えるのは、あなただけかもしれません。正しい応急手当てを学んで、救急隊員に命のリレーをつなげましょう。◆救命講習について  安達広域消防本部では、申し込みにより救命講習を無料で実施しています。普通救命講習(3時間)は心肺蘇生の実技講習から、AEDの使用方法まで行います。いざというときに備え、ぜひ講習を受けましょう。      ◎問い合わせ北消防署☎(₂₂)₁₂₁₁ 東和出張所☎(₄₆)₂₃₂₀               南消防署☎(₃₃)₂₈₇₅ 岩代出張所☎(₅₅)₂₂₁₄反応があるか確認「もしもし大丈夫ですか」などと声を掛けながら肩をたたき、反応があるかを確認する。 救急救命で大事なことは、落ち着いて素早く行動することです。その場に居合わせた人が、自信をもって心肺蘇生を行ってください。強く押すことで、肋骨が折れるのではないかと心配される方もいますが、骨は折れても元に戻ります。肝心なことは、心臓を圧迫し続けることで、身体の血液中の酸素を循環させることです。 安達地方では、救命講習を受ける方が以前よりも増えてきており、私たちも心強いです。皆さんの絶対に助けるという強い思いと勇気ある迅速な行動が命をつなぎます。一緒に救命の連鎖をつなぎ、1つでも多くの命を助けましょう。手順1手順5

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