広報にほんまつNo.153
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4広報にほんまつ 2018.8地域の子どもたちを、歩けるうちは見守りつづけたい 私は勤めていた会社を定年退職したあと、しばらくしてから、見守り隊の話があり入隊しました。一番年長だったこともあり、隊長を任され4年間務めました。 小学生たちが学校に通う日の私の毎朝の日課は、まず50分ほど散歩をし、家で朝食を食べた後に見守り隊として出掛けます。この毎朝の規則正しい生活は、健康にも良く、朝食を作る妻にとっても、時間が決まっているので良いのだと私は勝手に思っています(笑)。見守り隊を始めてから今まで、辛いと思ったことは一度もなく、逆に子どもたちの夏休み期間などは、少し寂しさを感じることもあります。 私の子どもが小学校へ通っていた頃は、仕事も忙しく、参観日や運動会などの学校行事に出席することは全くありませんでした。しかしこの年になり、見守り隊をやっているおかげで学校行事に招待されることがあり、卒業式に初めて出席させていただいたときなどは、「自分の子どもたちもこうだったのかな?」などと思いを巡らせ、何か懐かしいというか、感激したのを今でも覚えています。 今年で13年目を迎える見守り隊。今重点的に行っていることは『あいさつ』です。最初はあいさつをしない子どもでも、毎日こちらからあいさつをすると、いつの間にか子どもからあいさつをしてきてくれるようになりました。そしてうれしいのは、その子たちが中学生や高校生になっても、通学途中にあいさつをしてくれることです。 私はこれからも、歩けるうちは見守り隊を続けていくつもりです。子どもたちが、元気に楽しく学校へ行くのを、微力ながら見守っていこうと思っております。 interview  油井小学校区・子ども見守り隊 初代隊長 尾形 春男さん(智恵子の森・79歳)平成18年に発足した油井小学校区の子ども見守り隊で、初代隊長を務めた尾形さん。隊の発足当初は、児童の保護者などが主なメンバーでしたが、尾形さんは自分の孫が小学校へ通っていたこともあって見守り隊となり、現在も続けている。僕が小学校に入学してから、毎日一緒に学校まで歩いて行ってくれる尾形さんを、1年生のときは何とも思わずにいました。でも6年生になり登校班の班長になったことで、一緒に歩いて行ってくれることがすごくありがたいことなんだと分かりました。 最近、児童の連れ去り事件や、登校中の交通事故などをテレビなどで見聞きします。テレビの中だけではなく、僕たちの身近でも、不審者の情報などがあってすごく怖いなと思っています。そんなとき、朝一緒に歩いて行ってくれたり、交通量の多い交差点や横断歩道などに立っていてくれる見守り隊の方がいてくれるだけで、僕たちはとても安心して登校できます。 慣れた通学路を毎日何げなく通っていましたが、いろいろ考えると、見守り隊の方や地域の方の支えがあるからこそ、毎日安全に登下校できるんだと思いました。そして登下校だけでなく休みの日でも、会ったときには声を掛けてくれるので、いつでも見守ってくれているんだなぁと改めて実感しています。 毎日の『おはようございます。』というあいさつだけで何も話はしないけど、心の中でいつも『ありがとうございます。』と感謝しています。油井小学校6年 佐久間 諒太くん▲9年前に、当時小学6年生だった児童からもらった感謝の手紙と手作りの小物入れ。尾形さんは、当時の状態のまま大切に保管している。~感謝の手紙~心の中でいつも言っています。『ありがとうございます。』1年生のころからずっと、尾形さんに登校中の見守りをしてもらっている諒太くん。普段口に出して言うことができなかった感謝の言葉を、手紙に書いてもらいました。

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