広報にほんまつNo.157
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5Nihonmatsu City Public Relations, 2018.12, Japan増加している現在、行政からのお知らせや、医療機関などのさまざまな窓口で「やさしい日本語」を使うことが、外国人に分かりやすく情報を伝えることにつながります。ほんの少しの気遣いで、日本人も外国人も、誰もが暮らしやすいまちになるはずです。大学を卒業後に東京で就職したのですが、「外国に行ってみたい」という思いがあり、ベトナムの日本語学校で1年間働きました。 その後二本松へ帰ってきて、社会教育指導員として働いていたときに、「市民講座終了後も活動を続けたい」という方たちが愛好会などを立ち上げるのを間近で見ていたので、ざくざくネットの立ち上げに迷いはありませんでした。 学習者に日本語を教える際には、やさしい日本語を使うようにしています。やさしい日本語とは、災害発生時、避難情報などが在留外国人に伝わりやすいように、阪神・淡路大震災をきっかけに考え出されたものです。具体的には、短く、やさしい単語を選ぶこと、端的な表現やさしい日本語interview3国際交流ボランティア『ざくざくネット』 代表 菊きく地ち 紀のり子こさん1999年ざくざくネットを立ち上げた。インドネシアの技能実習生の地域指導員として活動しながら、市内の小学校で相談員として働く。学習者に合わせた個別指導の様子。写真左はフィリピン出身の学習者のひらがな表とテキストで、写真右はシリア出身の学習者が漢字の学習をしている。をすることです。 やさしい日本語を使う最大の理由は、その方が外国人にとって理解しやすいからです。外国語というと、日本人はつい英語を考えますが、母国語が英語でない方は多く、また日本に住む外国人はある程度の日本語は理解できます。さまざまな母国語の外国人たちにとって、日本での共通言語は日本語です。やさしい日本語が使えれば、教室の外でも日本人とのコミュニケーションが取りやすくなります。  もう1つの理由は、日本語以外の外国語を使う場合、教える側の支援者が限られてしまいますが、やさしい日本語なら誰でも支援者になることができるからです。 国際結婚で、母国から子どもを連れて来日する外国人が増えてきていますが、二本松市にはインターナショナルスクールが無く、市内の学校に転入することとなります。子どもにとって、日本語を覚えることが1つの壁である上、さらに学校の勉強を、母国語でない日本語で学ぶことは非常に大きな壁です。 そこで、ざくざくネットとは別団体で、小学生から高校生までを対象に、日本語と学校の勉強を学ぶための日本語教室を毎月2回、開催しています。子どものための支援身近な国際交流 以前は結婚して日本に来た中国やフィリピン出身の方が多かったのですが、最近はベトナムやインドネシアからの技能実習生が増えています。 私たち支援者にとって、日本語を教えることは、異文化や言葉を楽しむことができる、身近な国際交流です。日本人が海外へ旅行すると、ツアー旅行などの場合は観光地しか巡らず、外国人の暮らしを見ることまではできません。しかしこの教室では、外国人と話しをすることで、外国人の暮らしや考え方を知ることができます。日本語を教える代わりに異文化を知ることができる、ギブアンドテイクの関係です。ざくざくネットでは、日本語を教える支援者を随時募集していますので、興味のある方はぜひ参加してみてください。 ざくざくネットの設立目的は、「日本人と外国人が、相互に生活しやすい環境づくりを行うこと」です。特別に何かをしなければならないのではなく、普通に「接し」「話をする」ことで、外国人も日本人も、共に暮らしやすい社会になっていくのだと思います。共に暮らしていくために

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