広報にほんまつNo.161
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まちの話題24広報にほんまつ 2019.4 私達は、今を大切に生きているだろうか。明日は必ず訪れると何の疑いもなく信じてはいないだろうか。「命」と聞いて何を思い浮かべるだろう。 私が思っていた命についての最初のイメージは、「私になくてはならないもの」ということだ。命がなくなれば当然死んでしまう。命は限りあるものだ。大切なもの、そう思ってはいたが、危険がすぐ側に潜んでいるとは思わず、そのためか深く考えることもなかった。 そんな私が、命に対しての考えが変わったのは、学校で行われた「命の大切さを学ぶ授業」を受講したことがきっかけだ。それは、飲酒運転のトラックによるひき逃げで、当時十九歳だった息子さんを亡くされた方の講演だった。私は、涙を浮かべ、声を詰まらせながら話をしている姿から、突然家族を犯罪によって失うことのつらさを感じ、いつの間にか涙があふれ出していた。朝、笑顔で家を出て行った家族が、もう二度とかえって来ないなんて考えられるだろうか。私だったら考えられないし、信じたくない。この事故で亡くなった方も、いつも通り出て行ったそうだ。まさか死ぬなんて考えもしなかったはずだ。この時私は、今朝のことを振り返ってみた。ちゃんと家族の顔を見て会話をしていただろうかと。もしかしたら、私も犯罪に巻き込まれ、命を落としていたかもしれないのだ。そう思ったら、突然怖くなり、体が固くなるのが分かった。この事故で遺族は、まわりから色が消え、心は空になり、動く気力もなくなってしまったそうだ。また、いまだに納骨をせず、亡くなった後も彼の食事を作り続けているという。長い年月が経っても、残された家族の心の傷は消えない。そう思った。同時に、いつ何が起こるのか分からないという恐怖を感じた。 そこで、後悔しないためにも徹底してやろうと思うことがある。それは、毎日を大切に生きていき、感謝することだ。私は、当たり前になりすぎて感謝する心を忘れ、何気なく一日が過ぎていっている気がする。今後は、感謝の言葉を口にし、一日一日を大切にしたい。 「命の大切さを学ぶ授業」を通して、命は「私になくてはならないもの」から「みんなの思いが詰まった大切なもの」と考えるようになった。一人ひとりの命には、支えてくれる多くの人の思いが込められている。だから、そういった人達を悲しませる悲惨な犯罪が無くなってほしいと心から思う。命に対しての考えが変わり、今までより、深く考えることができたこの講演に感謝している。 何気ない毎日の中にある幸せ。その幸せを守るためにも、命を大切にしていこうと思う。私は、生きているのだから。この命を、今を、大切に生きていきたい。    《全て原文どおり》今を大切に  二本松市立二本松第三中学校      三年  松井 菜々美賞状を手にする松井さん(H31年2月18日、市役所にて撮影) 第8回「命の大切さを学ぶ教室全国作文コンクール」の中学生の部で、国務大臣・国家公安委員会委員長賞に次ぐ文部科学大臣賞に輝いた二本松三中3年(平成31年2月時点)の松井菜々美さんが2月18日、市役所を訪れ受賞を報告しました。受賞した作文の全文を紹介します。【文部科学大臣賞】二本松市奥岳温泉あだたら高原リゾートTEL 0243-24-2141http://www.adatara-resort.com絶景の露天風呂《あだたら山奥岳の湯》●4月20日~11月4日は10時~20時まで営業 ※その他の期間は18時終了 ※メンテナンスによる休業日あり●料  金 大人 600円 小人 400円ロープウェイで残雪の残る安達太良山へ《あだたら山ロープウェイ》◆営業期間  平成31年4月20日㈯~毎日運行  4月6・7・13・14日特別運行致します◆営業時間  8時30分~16時30分  (上り最終15:50/下り最終16:20)◆料 金  片道 大人1,000円・小人 750円  往復 大人1,700円・小人1,300円

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