広報にほんまつ.No171
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16広報にほんまつ 2020.2栄えある「県の名工」に        二本松市から2人が選出 ものづくりで県内最高水準の技を持つ匠たくみをたたえる、令和元年度の県技能者表彰受賞者『県の名工』10人が発表され、二本松市からは、菅野四郎さん(大工・戸沢)と殿川慶一さん(酒類製造工・表)が選ばれました。1_毎日のように現場に出て作業に従事しています2_将来を担う人材の育成にも力を入れています3_自社の機械で山から木を伐採し、製材・乾燥・加工を一貫して行うことで、適材適所に木材を使用することができます 菅かんの野四しろう郎さん(73)は、戸沢地区で建築業を営む菅野建築株式会社の代表取締役会長。 建築業に従事してから半世紀以上。20代の頃、東京にある宮大工の会社で神社仏閣の建築や修繕を手掛けた経験から、会社設立後も、寺院山門の建築や、社寺など伝統ある建物の修繕を数多く手掛けました。 その一方で、一般住宅も数多く手掛け、通し丸桁として8間(約14・5m)の長ものを使用することにより、地震に強い建物作りを可能にしました。 使用する木材は、その多くが県産材。自分達で山から伐採を行い、1本1本の特徴や癖を見極めながら、製材・乾燥・加工を一貫して行っています。福島の林業を守りたい 『夢』のログハウス 菅野さんに「夢」をお聞きしました。 「県産材をふんだんに使ったログハウスをローコストで建てることに挑戦したい。」 床も屋根も全部木材。全部木材を使えば、断熱材を使わなくても熱が逃げない家ができるとのこと。 「山に植えた木は、植えてから50~70年経過後が切り頃。福島県には、その切り頃の木が数多く育っています。県産材で、ローコストのログハウスを建てることができたら、県内で頑張る大工さんや製材所も輝きを取り戻し、福島の林業を守っていくことができます。」と話してくれました。 日々、新しいことに挑戦し、「より良いもの」をどこまでも追求したい思いが伝わってきました。一緒に仕事をしている息子の竜也さん(左)と。竜也さんも一級建築士として、四郎さんとともに活躍しています。将来を担う若者たちへ 菅野さんは、会社の裏山を使って林業体験も行っています。 県内で建築を学んでいる大学生には、木の伐採や、製材の体験学習を行っているほか、市内小学生を対象とした林業体験では、木を切るところや倒すところ、木を運んだり乾燥させたりするところをクイズを交えながら体験してもらうなど、将来を担う若者たちに林業、建築業の素晴らしさを伝える活動を行っています。 また、歴史的建造物の復元に関する講演会などを開催し、「ものづくり」へ興味を持ってもらうような取り組みを通して、地域貢献活動を行っています。震災からの復興 東日本大震災に際しては、福島県建築大工業協会の一員として、木造の杉板パネル工法の応急仮設住宅の実現に尽力し、組織を挙げて対応しました。321

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