広報にほんまつNo.180
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6広報にほんまつ 2020.11 明治24年創業。初代は宮大工をしており、雨の日でも出来る仕事として、箪笥造りを始めたそうで、社長の鈴すずき木文ふみこ子さん(82)は4代目。 「二本松伝統家具」は、福島県の伝統的工芸品に指定され、鈴木木工所には、特徴的な形の「階段箪笥」や、二本松の「松」と「菊」を金物にデザインした「城しろや家箪たんす笥」の注文が数多く入ります。 箪笥造りは、 設計 →材料の選択 →木の長さを揃える木取り →箪笥の大きさに合わせて木材をつなぎ合わせる →ホゾ組の切り込みを入れたりする加工 →組み立て →引き出し、扉の作製 →本体仕上げ →漆うるし塗り →金具の取り付け →仕上げ と数多くの段階を踏んでいきます。 設計やお客様との打ち合わせは、鈴木社長が担当。「毎日、家具を使い、家具と顔を合わせるのは女性が多いので、色や使い方の相談は、女性同士の方が良く分かります。」と話してくれます。 そして、職人の皆さんが手掛ける伝統の家具。「桐きり」や「欅けやき」、「栓せん」、「杉すぎ」などの木材をふんだんに用い、手作りで丹念に仕上げられます。また、注文で大きさや色合いが自由に変えられるのも二本松家具の特徴です。 二本松の多くの家具屋では、「職人による一品造り」で家具を造ります。材料の選択から仕上げまでを一貫して一人の職人が携わります。 職人の技術が製品の仕上がりにダイレクトに伝わるため、常に緊張感を持って家具造りに向き合い、ますます技術が向上していきます。(有)鈴木木工所【竹田】 小こばやし林 英えいじ治さん(67) 本ほんだ田 真しんいち一さん(54) 菅かんの野 良りょうへい平さん(31)1_伝統の階段箪笥の引き戸を作る本田さん。2_「城家箪笥」の「松」と「菊」の金物。3_栓の木を使用した伝統的なホゾ組。4_箪笥の引き出しに金物を取り付ける菅野さん。5_伝統的な階段箪笥。鈴木社長が持つ引き戸は、板の面と楮こうぞの皮の入った上川崎和紙の面とのリバーシブルになっている。6_鉋かんなの手入れ。職人の皆さんが使用する道具は丁寧に扱われ、作業後は整理整頓されている。342165

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