平安時代からの伝統「上川崎和紙」(後編)
前回、12月に和紙の原料となる楮(こうぞ)の木の皮をむく「かずはぎ」の様子を取材しました。
今回は、その後の作業を取材したので順にご紹介します。
(1) 「かずひき」
「かずはぎ」し、乾燥した皮を水に浸した後、カズ引き包丁を使い手作業で繊維を取り出します。
(2) 「かずだし」
釜に湯を沸かし沸騰したらソーダ灰をいれ、白皮にした楮を2~3時間煮ます。釜から楮を引き上げ流水で灰汁をぬき、水に浮かべながら繊維からごみを取り除きます。
(3)楮くだき
ピーター機という機械で楮の繊維をくだきます。
(4)紙漉き
おなじみの紙漉き作業へ。
紙漉きでは、水に楮の繊維と、オクラ科のトロロアオイから抽出した「ねり」を加え、水によくなじませます。すると繊維の浮遊時間が長くなり、漉く量を調整しやすいそうです。
漉桁(すげた)に流し込み、1枚ずつ漉きます。非常に薄いため、卒業証書など厚さを求められる紙は3回分を重ねて1枚の和紙になります。
ちなみに“透かし”を入れる場合は、この3回重ねるうちの2回目に透かす素材を入れたり、模様の入った漉桁で漉いたりします。
(5)乾燥
その後いくつかの乾燥工程に進みます。水分の加減が非常に難しく、多すぎても少なすぎても失敗してしまいます。
このように、非常に手間ひまかかる和紙ですが、その分、あたたかみや味わいがあります。
二本松市和紙伝承館では、様々な“和”製品の販売や、手漉きなどの体験もできます。足を運んでみてはいかがでしょうか。
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- 2021年2月26日
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