県指定 名勝 木幡山
この山は、県下第一の美林といってよいほどであり、県の名勝天然記念物に指定されています。木幡山は海抜666m阿武隈高原の北辺に近く、福島市へ北西約12kmの所にあります。この山地は、白沢村の岩角山と同じく花崗岩によって形成され、浸蝕状態も共通しています。かつては多くの仏閣神社があり南北朝時代の文章に木幡山の名があり、天台密教によって開山され、時代は岩角山より早く、霊山(伊達郡)と大差ないものと思われます。山頂に蔵王の大スギ(今はない)蔵王堂跡、霊岩及び経塚群があり、「三代実録」の元慶5年(881年)に天台別院となった安積の弘隆寺に擬せられ、吉野修験との関連が想定される修験寺であると言われています。古代信仰の磐座とされる巨石が中腹に多く、その一部に線刻の磨崖三十三観音が彫られています。この山には高山性の植物もあり鳥類の棲息繁殖の状況は注目すべきものがあります。また、山上には国指定の天然記念物「木幡の大スギ」をはじめ、県指定の三重塔や本殿、末社、社務所などの建造物があります。また、樹齢百年から三百年を越すスギやマツが生い茂り、自然の美しさを残し古き昔を偲ばせています。今はこの美林を永久に保存するため「健康保安林」に指定しています。
交通
二本松駅より車で30分