市議会6月定例会を招集いたしましたところ、ご多用の中ご参集を賜りまして誠にありがとうございます。
6月定例会でございますので、提出事件の説明を申し上げます前に、平成28年度の決算見込みの状況と本年度の主な事務事業の執行状況等についてご報告を申し上げます。
平成28年度の一般会計及び特別会計は、5月31日をもって出納閉鎖をいたしました。各会計の決算見込みは、
一般会計においては
- 歳入総額 47,042百万円
- 歳出総額 44,908百万円
- 差引 2,134百万円
となりますが、予算の繰越しに伴い翌年度に繰越すべき財源がありますので、実質収支では1,549百万円の黒字決算となる見込みであります。
また、各特別会計につきましてもそれぞれ黒字決算の見込みであります。
平成28年度各会計の財政運営におきましては、新総合計画の基本目標の実現を図るための諸施策や、原子力災害からの復旧、復興事業等を積極的に推進する一方で、市政改革と財政健全化についても同時に推し進め、国・県の財政支援措置等を活用するとともに経費支出の効率化に努めた結果と捉えております。
続いて、本年度の主な事務事業の執行状況等を報告いたします。
はじめに、平成28年度の市税、国民健康保険税等の収納状況及び平成29年度の市民交通災害共済の加入状況は、別紙(1) [PDFファイル]のとおりでありました。関係各位のご協力に対し感謝を申し上げる次第であります。
次に、観光誘客におきましては、霞ヶ城公園をはじめ、合戦場のしだれ桜や中島の地蔵桜等、市内各地で「桜まつり」を盛大に開催し、海外からの旅行者を含む多くの観光客の皆様方に自慢の桜を楽しんでいただきました。
また、5月21日に開催されました「第63回安達太良山開き」は、近年にない天候に恵まれ、「ほんとの空」の下、多くの登山者に二本松の雄大な自然を満喫していただくことができました。
次に、農作物の生育状況について申し上げます。
水稲、野菜については、春先の低温や少雨による渇水の影響が心配されましたが、霜の被害も無く、4月に入り気温が上昇し、5月中旬以降は相応の降雨があり、生育はほぼ順調に推移しております。また、4月19日には、一部地域で強風によるビニールハウスの倒壊等もありましたが、生育期前であったため、農作物の大きな被害には至りませんでした。
果樹については、もも、りんご、なし等の発芽は平年より3日から5日程度遅れて経過しましたが、満開時期は平年並みとなり、霜の被害も無かったことから、順調に生育しております。
次に、原子力発電所事故に関連する健康管理対策の執行状況等について申し上げます。
ホールボディカウンターによる内部被ばく線量調査につきましては、平成28年度において、4歳以上の市民54,694人に通知し勧奨したところ、合計1,602人、約2.93%の方に測定を受けていただきました。このうち、0.75%にあたる12人に検出下限値以上の測定値が見られましたが、幸いにして問題のある事案はありませんでした。なお、本年度も引き続き、4歳以上の市民を対象に案内を開始しております。
また、ガラスバッチによる外部被ばく線量調査につきましては、本年度も、子供を含む20歳までの方と妊婦については全員、さらに21歳以上の市民のうちの測定を希望される方を対象とし、合計9,422人の方に、5月16日から7月15日までの2ヶ月間調査を実施しております。
以上申し上げましたほか、現在までに発注いたしました主な土木建設等事業の進捗状況は別紙(2) [PDFファイル]のとおりであり、5月31日までの業務行事等の実施状況は別紙(3) [PDFファイル]のとおりであります。また、現在までに内定している本年度の国、県営等事業費の割当額は、別紙(4) [PDFファイル]のとおりでありますので、ご覧をいただきたいと存じます。
それでは、今期定例会に提案申し上げました議案及び報告事件についてその概要を申し上げます。
はじめに報告事件について申し上げます。
報告第1号から第3号までの専決処分の報告は、いずれも議会の指定に基づく損害賠償額の決定の報告であります。
専決処分書に記載のとおり、報告第1号は、岳ダム管理車両の接触事故による相手方車両の破損、報告第2号は、強風により一部剥離した中学校物置の屋根の接触による相手方車両の破損、報告第3号は、市有自動車の接触事故による相手方車両の破損に関するものでありますが、それぞれ相手方と損害賠償について合意し、地方自治法第180条第1項の規定により専決処分を行い、示談をいたしましたので、同条第2項の規定により報告するものであります。ご理解を賜りたいと存じます。
報告第4号から第12号までの9件は、平成28年度一般会計及び介護保険、岩代簡易水道事業、東和簡易水道事業、岩代下水道事業の各特別会計並びに水道事業会計において、継続費、繰越明許費、事故繰越し及び建設改良費の繰越しとして、それぞれ計算書のとおり翌年度への繰越額が確定いたしましたので、地方自治法施行令第145条第1項、第146条第2項及び第150条第3項並びに地方公営企業法第26条第3項の規定により報告するものであります。
報告第13号から第18号までの6件は、地方自治法第243条の3第2項の規定に基づき、法人の経営状況を説明する書類として、一般財団法人二本松菊栄会ほか2法人の平成28年度事業報告書及び決算書並びに平成29年度事業計画書及び予算書を提出するものであります。
以上が報告事件であります。
次に、議案について申し上げます。
今期定例会に提案いたしました事件は、8件であります。
議案の順序もございますが、議案第59号国民健康保険財政調整基金条例の制定、議案第60号国民健康保険税条例の一部改正及び議案第63号平成29年度国民健康保険特別会計補正予算の3件につきまして、関連がありますので合せて説明を申し上げます。
本市の国保の現況につきましては、被保険者数が減少している一方で、被保険者1人当たりの医療給付費は増加しており、依然として厳しい財政運営を強いられている状況にありますが、平成28年度決算見込では、歳入を概ね計画どおり確保することができたこと、歳出では、医療費適正化事業や国保保健事業の取組もあって医療給付費が見込みより低く抑えられたことなどから、支払準備基金の取崩しを行わず、健全運営を図ることができたところであります。
来年度からは、将来にわたり国民皆保険を堅持するため、市町村に加えて都道府県が国保の保険者となり財政運営責任を担う制度改正が行われます。本年度までは、国保運営に必要とされる費用の算定を市が行い、これをもとに国保税の税率等の決定を行いますが、平成30年度からは、県が市町村ごとに算定した納付金を市町村が県へ納付することになり、また、県はこの納付金をもとに標準税率等を示し、これを参考として市町村が税率等を決定することになります。
本市といたしましては、この制度改正に対応した国保財政の健全な運営に資するため、これまでの国民健康保険給付費支払準備基金に代えて、国民健康保険財政調整基金を設置することといたしました。
今回の予算補正につきましては、被保険者の負担の抑制を基本としつつも来年度の新制度移行を見据えて、歳出においては、過去の実績及び被保険者数の推移等を勘案して医療費の所要額を推計いたしました。この結果、保険給付費では当初予算との比較で111,818千円の減、後期高齢者支援金が37,132千円の減、介護納付金が36,366千円の増、共同事業拠出金が40,619千円の減、諸支出金が50,331千円の増、さらに、基金に200,000千円の積み増しを行うため、基金積立金を既存の基金運用利子分も含めて200,112千円の増とし、総額は7,140,195千円で、当初予算と比較して96,017千円の増額補正となったところであります。
一方、歳入では、国庫支出金、療養費給付費交付金、県支出金等をルール計算により再積算するとともに、基金の積立分を含めて、繰入金を218,166千円増額しました。
これらの保険給付費等の算定基礎に基づき必要となる国保税の再計算を行いましたが、将来を見据えた円滑な財政運営のために現有の基金は留保することとし、その上で被保険者の負担軽減のために、平成28年度決算見込額から繰越金307,607千円全額を算入した結果、国保税の総額は1,341,241千円、当初予算と比較して359,821千円の減額補正となったものであります。
これにより、医療分、後期高齢者支援金分を合わせた税率は、前年度対比で所得割が0.43ポイント、均等割が4,100円、平等割が100円のそれぞれ引き上げとなり、被保険者一人当たりの税額は、前年度対比で5,747円、率にして6.5%の増となったところであります。
介護納付金分の税率については、前年度対比で、所得割が0.39ポイント、均等割が2,200円、平等割が500円のそれぞれ引き上げとなり、被保険者一人当たりの税額は、前年度対比で4,230円、率にして13.3%の増となったものであります。ご理解を賜りたいと存じます。
次に、議案第61号市税特別措置条例の一部改正でありますが、過疎地域自立促進特別措置法第三十一条の地方税の課税免除または不均一課税に伴う措置が適用される場合等を定める省令等の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。
続いて、議案第62号平成29年度一般会計補正予算について申し上げます。
今回の予算補正につきましては、国県等補助事業の採択や割当額決定等による必要な措置を行うとともに、事務事業の変更・追加に伴う経費や緊急性の高い修繕費などを主として計上いたしました。
歳出の主なものを款別に申し上げますと、
総務費で
- 来てふくしま住宅取得支援助成金の増 8,000千円
民生費で
- 国保財政調整基金積立てに係る国保会計繰出金の増 200,000千円
- 国保会計本算定による国保会計基盤安定繰出金の増 18,294千円
- 学童保育業務委託料の増 3,779千円
農林水産業費で
- 認定農業者育成事業補助金の増 5,108千円
- 農業系汚染廃棄物対策事業委託料の増 58,450千円
商工費で
- 二本松駅構内観光案内所の整備費及び安達太良高原の情報発信等を行う地域おこし協力隊員設置費の増 11,349千円
- スカイピアあだたらの管理運営等を行う地域おこし協力隊員設置費の増 2,020千円
土木費で
- 社会資本整備総合交付金の交付額確定に伴う舗装補修工事費の増 20,900千円
- 県補助事業採択に伴う霞ヶ城公園内施設改修工事費の増 4,494千円
教育費で
- 4月19日から20日にかけての強風等による原瀬小学校OMソーラーパネル等修繕費の増 9,936千円
- 同じく二本松第一中学校物置撤去及び柔剣道場修繕費の増 3,824千円
などであります。
また、歳入においては、歳出に関連する特定財源をそれぞれ精査のうえ計上し、平成28年度の決算見込みからの繰越金についても250,000千円増額算入いたしました。
以上の結果、現計予算の総額に歳入歳出それぞれ363,735千円を追加し、予算総額を37,670,397千円とするものであります。
なお、予算第2条債務負担行為の補正は、ウッディハウスとうわ指定管理業務委託料ほか5件の追加であり、予算第3条地方債の補正は、合併特例債ほか2件の起債限度額の変更であります。
次に、議案第64号損害賠償額の決定について申し上げます。
平成28年9月5日に塩沢町一丁目地内において、倒木によりたるんでいた街路灯電線に、原動機付自転車で走行してきた相手方が引っ掛かり転倒し、怪我を負った事故に関するものでありますが、医療費分に係る損害賠償額が確定しましたので、地方自治法第96条第1項第13号の規定により、法律上その義務に属する損害賠償額の決定について、議会の議決を求めるものであります。
議案第65号財産の取得につきましては、油井字砂田地内の安達支所周辺整備用地2,999平方メートルを29,555,145円で取得することについて、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得または処分に関する条例第3条の規定に基づき、議会の議決を求めるものであります。
議案第66号工事請負契約の締結につきましては、杉田住民センター体育室耐震改修主体工事の請負契約締結について、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得または処分に関する条例第2条の規定に基づき、議会の議決を求めるものであります。
本工事につきましては、制限付一般競争入札により5月25日に入札を執行した結果、株式会社野地組が1億5,100万円で落札し、消費税及び地方消費税を加算して、契約金額1億6,308万円で、議案書記載のとおり5月29日に仮契約を締結したものであります。入札結果につきましては、お手許の資料のとおりでありますので、ご覧いただきたいと存じます。
以上が提案申し上げました議案の概要であります。
よろしくご審議を賜りますようお願いを申し上げます。