二本松市議会令和6年9月定例会において、二本松市水道条例等の一部を改正する条例案が可決されました。
この条例案は、市の水道料金・加入金および下水道使用料の統一に向けてそれぞれの料金等を改定するものです。
二本松市の水道料金・加入金および下水道使用料は、合併前の旧市町の料金体系をそのまま継続し、各地域で別々の料金等を適用してきましたが、令和7年4月使用分(5月検針分)から3年をかけて新たな料金体系に段階的に統一します。
なお、この改定案は、水道料金は「水道審議会」へ、下水道使用料は「公共下水道審議会」へ市長から改定について諮問し、いずれも6回の審議を経た答申に基づき、現在の物価高騰が終息しない社会経済情勢を考慮するなど、市の判断も加味して策定したものです。
また、二本松市のウェブサイトで令和6年5月21日から6月20日まで実施したパブリックコメントでは、反対の立場のご意見はありませんでした。
- 改定の対象となる地域等
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水道料金・加入金:二本松地域・岳地区、安達地域
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下水道使用料:二本松処理区(岳地区を除く)、安達処理区
統一の背景
水道料金
平成17年の4市町合併に際しての合併協定項目では、「現行のそれぞれの料金体系とするが、二本松と安達地域の上水道については、合併後3年以内に料金および加入金を統一する。岩代と東和地域の簡易水道については、当面現行のとおりとする。」として新市に引き継がれました。合併当時は、累積赤字が生じている状況もあって、平成19年6月から一律11%の料金改定(岳地区は平均35・63%)を実施しましたが、経営の安定化を優先し、料金統一は実現しませんでした。
その後、平成22年にも料金体系の統一について検討しましたが、独立採算で自立できる体制の構築を目指し、料金体系の統一は慎重に取り扱うものとして統一が見送られ、現在に至っています。
合併から18年経過する現在でも料金および加入金の統一は実現できておらず、地域間の格差が残り、同じ市民であるにもかかわらず水道料金が異なる状況は、公平性の観点から見直しが必要となっていました。
下水道使用料
平成17年の4市町合併に際しての合併協定項目で、「二本松と安達処理区の流域関連公共下水道の使用料については、合併後3年以内に統一する。岳と岩代処理区の特定環境保全公共下水道は、当面現行のとおりとする。」として新市に引き継がれましたが、水道料金同様、現在においても使用料の統一が実現できておらず、見直しが必要となっていました。
統一に向けた改定方針
水道料金
合併協定項目を踏襲し、上水道事業として事業統合している二本松地域と安達地域の料金および加入金を統一し、料金水準を適正化します。
給水人口の減少や将来の施設更新、災害対策に備えるため、適正な料金水準を設定します。
料金体系は、二本松地域の料金体系を採用し、改定率を二本松地域の現行の料金の1.2倍程度とします。
岳地区の料金改定率は、現行の料金の1.2倍程度とします。岳地区は水源から極めて近く、施設整備費などの投資額を抑えることができました。また、温泉宿泊施設地区という特殊性を考慮し、これまでの料金が抑制されてきたという経緯があります。そのため、二本松地域の改定率と同様の水準とし、二本松地域および安達地域の料金水準とは異なる料金設定とします。
また、現在、安達地域では新規水道開設者等から水道加入金を徴収していますが、二本松地域と岳地区では徴収していません。地域によって取り扱いが異なるため、同一事業の使用者間の公平性を図るため、二本松地域と岳地区でも加入金を徴収することとします。
下水道使用料
合併協定項目を踏襲し、流域関連公共下水道事業として事業統合している二本松処理区と安達処理区の使用料を統一し、適正な水準に近づけます。
下水道事業は、現状では汚水処理費用を使用料では賄いきれず、一般会計からの補助による基準外の繰入金で補填しているため、その縮減が必要です。また、接続人口の減少に対応し、施設更新や災害対策に必要な費用を確保するためにも、適正な使用料水準に近づける必要があります。
使用料体系は、二本松処理区の使用料体系を採用し、改定率を二本松処理区の現行の使用料の1.2倍程度とします。
水道料金の統一および下水道使用料の統一に向けた改定
水道料金、加入金および下水道使用料の改定方法
水道料金
今回の料金改定は、二本松地域および岳地区の現状の料金の1.2倍の改定とします。ただし、物価高騰などが市民生活に影響を与えているため、料金が増額となる場合は、緩和措置を講ずるものとして、3段階(3年間)で改定します。
なお、安達地域において料金が減額となる場合は、緩和措置を講ずる必要がありませんので、1段階で改定します。
- 料金が増額となる場合
- 第1段階(1年目) 令和7年4月使用分(5月検針分)から…現状と改定額の差額の3分の1程度(7%)
- 第2段階(2年目) 令和8年4月使用分(5月検針分)から…現状と改定額の差額の3分の1程度(7%)
- 第3段階(3年目) 令和9年4月使用分(5月検針分)から…現状と改定額の差額の3分の1程度(6%)
水道料金表
二本松地域(税抜)
安達地域(税抜)
岳地区(税抜)
水道加入金
水道加入金は、新規水道加入時または増口径時のみに徴収するものです。したがって、料金改定の第1段階と同時期に改定します。
- 第1段階(1年目) 令和7年4月1日から
下水道使用料
今回の使用料改定は、二本松処理区の現状使用料の1.2倍の改定とします。ただし、水道料金と同様に、使用料が増額となる場合は、緩和措置を講ずるものとして、3段階(3年間)で改定します。
なお、安達処理区において使用料が減額となる場合は、緩和措置を講ずる必要がありませんので、1段階で改定します。
- ※使用料が増額となる場合
- 第1段階(1年目) 令和7年4月使用分(5月検針分)から…現状と改定額の差額の3分の1程度(7%)
- 第2段階(2年目) 令和8年4月使用分(5月検針分)から…現状と改定額の差額の3分の1程度(7%)
- 第3段階(3年目) 令和9年4月使用分(5月検針分)から…現状と改定額の差額の3分の1程度(6%)
下水道使用料表
二本松処理区(税抜)
安達処理区(税抜)
改定後の水道料金 (税抜)
令和7年4月使用分(5月検針分)から
二本松地域
安達地域
岳地区
令和8年4月使用分(5月検針分)から
二本松地域
安達地域
岳地区
令和9年4月使用分(5月検針分)から
上水道〔二本松地域(岳地区除く)・安達地域〕
岳地区
改定後の下水道使用料 (税抜)
令和7年4月使用分(5月検針分)から
二本松処理区
安達処理区
令和8年4月使用分(5月検針分)から
二本松処理区
安達処理区
令和9年4月使用分(5月検針分)から
流域関連公共下水道(二本松処理区・安達処理区)