市議会9月定例会を招集いたしましたところ、ご多用の中ご参集を賜りまして、誠にありがとうございます。
それでは、定例会でございますので、提出事件の説明を申し上げます前に、現在までの主な事務事業の執行状況等についてご報告を申し上げます。
はじめに、「市民の翼」中学生海外派遣事業につきましては、去る7月26日から8月2日までの8日間の日程で、私が団長を務め、中学生10名と共に、アメリカ合衆国ハノーバー町等を訪問いたしました。新型コロナウイルス感染症の影響により事業の中止が続いておりましたが、本年は令和元年度以来、5年ぶりの訪問となりました。
現地ではホームステイを行い、アメリカの市民生活や文化などを肌で感じ、友好、交流と国際親善を深めるとともに、朝河貫一博士ゆかりのダートマス大学、イェール大学などを視察して、朝河博士の偉業について認識を深めて参りました。
次に、農作物の生育状況について申し上げます。
水稲については、出穂期が平年より3日程度早く推移しました。7月上旬から高温が続き、不稔(ふねん)や白(しろ)未熟粒(みじゅくりゅう)の多発による品質の低下が懸念されるところであります。また、斑点(はんてん)米(まい)カメムシ類が多く発生しており、この10年ほど高い傾向にあり、高温に伴い活動が活発化することから防除対策を呼びかけたところであります。
なお、米の生産数量につきましては、現時点における主食用米作付面積が1,653ヘクタールで、昨年の実績と比較し約67ヘクタールの増となっております。
野菜については、キュウリ、ピーマン、ナス等の露地野菜の一部で高温乾燥の影響により果形の崩れが見られ、全体の収穫量も品目によりばらつきが見られます。また、高温の影響により病害虫の発生や品質低下が懸念されることから、適期防除や施設栽培での換気、かん水、草勢維持を呼びかけております。
果樹については、ナシ・リンゴの果実は平年並みからやや大きめとなっております。また、ナシ黒星病(くろぼしびょう)やリンゴ褐斑病(かっぱんびょう)のほか、カメムシ類等の発生が見られ、平年よりやや多い状況にあることから、引き続き防除対策を呼びかけております。
このほか、現在までに発注いたしました主な土木建設等事業の進捗状況は別紙(1)のとおりであり、8月までの主要な業務行事等の実施状況は別紙(2)のとおりであります。
それでは、今期定例会に提案申し上げました議案及び報告事件について、その概要を申し上げます。
はじめに、報告事件について申し上げます。
報告第15号及び報告第16号の2件については、一般会計及び水道事業会計にかかる継続費について、令和5年度において継続年度が報告書のとおり終了いたしましたので、地方自治法施行令第145条第2項及び地方公営企業法施行令第18条の2第2項の規定により報告するものであります。
報告第17号令和5年度健全化判断比率及び資金不足比率については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項及び第22条第1項の規定により、監査委員の審査に付した健全化判断比率及び資金不足比率を報告するものであります。報告書に記載のとおり、令和5年度の実質公債費比率は9.1パーセント、将来負担比率は32.6パーセントとなり、いずれも財政の早期健全化のための計画を定めなければならないとされる基準を下回っております。
次に、議案の説明を申し上げます。
今期定例会に提案いたしました事件は、31件であります。
まず、議案第72号から議案第86号までの15件については、令和5年度一般会計、特別会計及び企業会計に係る決算をそれぞれ議会の認定に付すものであります。
議案第72号一般会計歳入歳出決算については、市税等が予算額を上回って確保されたこと、さらに経費の節減や市政改革に努めた結果、その収支は、
歳入総額 330億6,148万5千円
歳出総額 314億7,149万7千円
収支差引 15億8,998万8千円
の黒字決算となり、翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支額は 14億9,015万2千円の黒字となったものであります。主要な施策の詳細については、別冊の「成果説明書」をご覧いただきたいと存じます。
また、歳入の市税等における収入未済、不納欠損の要因等については、別紙(3)のとおりであります。
議案第73号国民健康保険特別会計歳入歳出決算については、事業勘定における国保税率について医療分、後期高齢者支援分、介護分とも応能応益の負担割合を50対50とし、算定方式を所得割、被保険者均等割及び世帯別平等割の3方式で行いました。収支では、一般被保険者1人当たりの療養給付費が前年比2.7パーセント増となりましたが、収納率の向上等により保険税を見込みより多く確保できたことなどから、
歳入総額 53億4,028万2千円
歳出総額 52億 867万2千円
収支差引 1億3,161万円
の黒字決算となりました。
また、直営診療施設勘定については、地域医療の拠点施設として医療業務にあたり169万6千円の黒字決算となりました。
議案第74号後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算については、保険料の徴収と広域連合への納入が主な内容でありますが、収支では、
歳入総額 7億1,729万5千円
歳出総額 7億1,615万3千円
収支差引 114万2千円
の黒字決算となりました。
議案第75号介護保険特別会計歳入歳出決算については、第八期介護保険事業計画を基に、保険給付の適正化及び介護保険財政の安定化に努めた結果、収支では、
歳入総額 65億6,910万7千円
歳出総額 62億5,770万6千円
収支差引 3億1,140万1千円
の黒字決算となりました。
議案第76号土地取得特別会計歳入歳出決算については、土地開発基金からの繰入金により、霞ヶ城公園整備事業用地を取得したほか、基金運用利子を土地開発基金に繰出し、基金の適正管理に努めました。なお、令和5年度の土地開発基金の運用状況は、「成果説明書」に併せて提出しております「定額運用基金運用状況」をご覧いただきたいと存じます。
議案第77号公設地方卸売市場特別会計歳入歳出決算については、令和5年度の取引額が、青果部4億736万円で前年度対比5.4パーセントの増、水産物部1億8,624万1千円で前年度対比4.9パーセントの増、全体では前年度対比で5.3パーセントの増となり、会計の収支において109万3千円の黒字決算となりました。
議案第78号茂原財産区特別会計歳入歳出決算、議案第79号田沢財産区特別会計歳入歳出決算、議案第80号石平財産区特別会計歳入歳出決算、議案第81号針道財産区特別会計歳入歳出決算及び議案第82号小手森財産区特別会計歳入歳出決算の5件については、それぞれ財産区管理会の運営及び財産の適正な維持、管理に努めました。
議案第83号工業団地造成事業会計決算については、企業誘致活動を積極的に推進し、長命工業団地の1区画の分譲地を売却した結果、収益的収入で1億7,040万3千円、収益的支出では1億6,979万2千円となり、61万1千円の黒字決算となりました。
議案第84号宅地造成事業会計決算については、二本松駅南住宅団地造成事業に係る造成工事及び測量業務を行うとともに、先行分譲により宅地6区画を売却いたしました。
議案第85号水道事業会計未処分利益剰余金の処分及び決算については、二本松及び安達地域の上水道事業における年度末の給水件数は、前年度と比較して72件の増、年間有収水量では前年度対比0.1パーセントの増となりました。
岩代簡易水道事業における年度末の給水件数は、前年度と比較して8件の減、年間有収水量では前年度対比1.3パーセントの減となり、東和簡易水道事業における給水件数は、前年度と比較して3件の増、年間有収水量では前年度対比0.6パーセントの減となりました。
事業全体の収支については、消費税・地方消費税込みで、
事業収益 14億5,988万1千円
事業費 13億4,232万円
収支差引 1億1,756万1千円
の黒字となり、結果として消費税・地方消費税抜きで8,326万3千円が当年度未処分利益剰余金となりますが、そのうち1,014万7千円を減債積立金に積み立て、残りの7,311万6千円は資本金に組み入れるものであります。
なお、このうち両簡易水道事業における収支については、一般会計からの補助により当年度純損失は発生しておりません。
また、資本的支出としましては、上水道施設拡張事業、その他施設改良工事等を実施いたしました。
議案第86号下水道事業会計決算については、流域関連公共下水道の二本松処理区では、処理区域面積が452.2ヘクタールで、全体計画面積に対する整備率は63.4パーセントと前年度同様でありましたが、下水道水洗化率は73.7パーセントとやや増加いたしました。安達処理区では、処理区域面積189.1ヘクタール、整備率63.1パーセントと前年度同様でありましたが、下水道水洗化率は82.7パーセントとやや増加いたしました。
特定環境保全公共下水道の岳処理区では、処理区域面積34ヘクタール、整備率97.1パーセントと前年度同様でありましたが、下水道水洗化率は44.0パーセントとやや増加いたしました。岩代処理区では、処理区域面積75.5ヘクタール、整備率98.1パーセントと前年度同様でありましたが、下水道水洗化率は63.7パーセントとやや増加いたしました。
なお、事業収支については、一般会計からの補助により当年度純損失は発生しませんでした。
以上が各会計決算の概要であります。詳細はそれぞれの決算書をご覧いただきたいと存じます。
引き続き決算以外の議案について説明申し上げます。
議案第87号福島県後期高齢者医療広域連合規約の変更については、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴い、現行の被保険者証が発行されなくなるため、所要の改正を行うことについて、地方自治法第291条の11の規定に基づき、議会の議決を求めるものであります。
議案第88号国民健康保険条例の一部改正については、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律の施行による国民健康保険法の一部改正に伴い、被保険者証の返還を求める規定を削除することなど、所要の改正を行うものであります。
議案第89号災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正については、生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令の施行による東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律の厚生労働省関係規定の施行等に関する政令の一部改正に伴い、引用条項を改めるため、所要の改正を行うものであります。
議案第90号保育所条例の一部改正については、保育所への入所を制限する要件の見直しに伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第91号道路占用料徴収条例の一部改正については、二本松駅南住宅団地内の市道に電線共同溝方式による地下電線等を敷設するため、所要の改正を行うものであります。
議案第92号市営住宅設置条例及び市営住宅管理条例の一部改正については、市営住宅の老朽化に伴い、その一部を用途廃止するため、所要の改正を行うものであります。
議案第93号水道条例等の一部改正については、二本松地域及び安達地域の水道料金、加入金及び下水道使用料の統一並びに水道料金及び下水道使用料水準の適正化を図るため、所要の改正を行うものであります。
議案第94号訴えの提起については、市営住宅の明渡し及び滞納家賃等の支払いを求めるため訴えを提起するものであり、地方自治法第96条第1項第12号の規定に基づき議会の議決を求めるものであります。
議案第95号訴えの提起については、市営住宅に係る滞納家賃の支払いを求めるため訴えを提起するものであり、地方自治法第96条第1項第12号の規定に基づき議会の議決を求めるものであります。
次に、補正予算の説明を申し上げます。
議案第96号令和6年度一般会計補正予算についてでありますが、今回の予算補正につきましては、
・本算定の結果に基づく普通交付税等の補正措置
・前年度繰越金確定による健全財政運営を図るための措置
・県補助事業の採択に伴う措置及び令和5年度国県負担金等の確定
に伴う返還金
などを主として計上いたしました。
歳出の主なものを款別に申し上げますと、
総務費で
・決算剰余金を受けての財政調整基金及び減債基金への積立金の増 1,050,000千円
・過疎地域持続的発展特別事業基金への積立金の増 8,000千円
・基幹系業務システムの標準化に伴うネットワーク構築業務委託料の増 12,652千円
・婚姻世帯住居費等助成金の増 3,000千円
農林水産業費で
・地域計画担い手確保支援事業補助金に 2,657千円
・県産農産物推進支援事業補助金に 2,000千円
・地域特産活用産地づくり支援事業資材等購入補助金に 5,674千円
などであります。
また、歳入におきまして、特定財源以外の主なものは、
・地方特例交付金の増 7,761千円
・普通交付税の増 117,565千円
・前年度繰越金の増 1,290,152千円
・臨時財政対策債の増 5,995千円
などであり、そのほか歳出に関連する特定財源につきましては、精査のうえ計上いたしました。
以上の結果、歳入における補正合計額は14億7,508万2千円で、歳出における必要財源の合計額が11億9,072万2千円となりましたので、差引額2億8,436万円は、今後の財政需要に係る調整財源として予備費に留保することとし、補正後の歳入歳出予算の総額を330億2,049万5千円とするものであります。
予算第2条債務負担行為の補正は、公共応急作業車両購入の追加であり、予算第3条地方債の補正は、過疎地域持続的発展特別事業債ほか1件の起債限度額の変更であります。
議案第97号令和6年度国民健康保険特別会計補正予算については、事業勘定及び直診勘定において、歳入で前年度繰越金の確定額を補正し、歳出では同額を年度内調整財源として予備費に留保するものであります。
議案第98号令和6年度後期高齢者医療特別会計補正予算については、歳入で前年度繰越金の確定額を補正し、歳出では同額を広域連合納付金として措置するものであります。
議案第99号令和6年度介護保険特別会計補正予算については、令和5年度の介護給付費及び地域支援事業費が確定したことに伴い、歳入で一般会計からの繰入金及び前年度繰越金の確定額を補正し、歳出では決算剰余金による介護給付費準備基金積立金及び国県負担金の返還金等を措置するものであります。
議案第100号令和6年度公設地方卸売市場特別会計補正予算については、歳入で前年度繰越金の確定額を補正し、歳出では同額を年度内調整財源として予備費に留保するものであります。
議案第101号令和6年度水道事業会計補正予算及び議案第102号令和6年度下水道事業会計補正予算については、議案第93号水道条例等の一部改正による料金等の改定に伴う上下水道料金システム改修業務委託について、それぞれ債務負担行為を定めるものであります。
以上が提案申し上げました議案の概要であります。
なお、会期中に、脱炭素化推進事業二本松市民会館LED照明導入改修工事の工事請負契約締結に係る議案を追加提案申し上げる予定でありますので、予めお含みおきを賜りたいと存じます。
よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。