二本松の秋の風物詩「二本松の菊人形」。華やかな菊人形が会場を彩りますが、菊人形を作り出す職人「菊師」(きくし)の存在をご存じでしたか?今回は、二本松の菊人形を支える「菊師」についてご紹介します。
現在、二本松にいる菊師は3人。このほか2人が見習いとして修業中です。
約30年菊師として活躍している一番のベテラン、渡辺アイ子さん(左から2番目)に、菊師のお仕事についてお伺いしました。
人形には、まず下地として檜葉(ひば=ヒノキの葉)を付けていきます。これには菊の花の乾燥を防ぐ役割と、裏張りとして花の隙間から裏側が透けて見えないようにする役割があります。また虫よけの効果があると言われています。
檜葉を付けたら、色合いを考えながら、菊の花を付けていきます。菊の花は、束にしたものを根をまとめ、ミズゴケを入れて1つの株にしています。その株を付けたら、イグサで少しずつ人形に結び付けていきます。
1体の人形を仕上げるのには、菊50~60株を使用し、約2日かかります。人形の菊は10日~2週間で付け替えを行います。
設計図やデザイン画などはなく、全体像を考えながら菊を付けていきます。出来上がってから色合い、根の入れ方などを見直します。特に、根の入れ方で茎の長さも変わり、花をどのように持っていくかが変わるため、難しいそうです。
何年経ってもなかなか納得できるものはできないので、色々と追及しながらやっている、と言います。
そして何より、「好きでないと、楽しくないと、長年やってこられなかった」と渡辺さん。
菊人形会場内の菊付け実演コーナーでは、実際に手際よく作業を行いながらも、絶え間なく来るお客さまに声をかけたり、質問に答えたりと、生き生きとした姿がありました。
さらに伝統を守っていくために、後継者の育成にも力を入れ、技術の継承を図っています。
菊人形会場を訪れる際には、二本松の菊人形を支える「菊師」のお仕事に、注目してみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ
二本松市産業部観光課
電話:0243-55-5122
にほんまつマルシェアーカイブ
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