東和地域のハンドメイドのクラフトワイナリー「ふくしま農家の夢ワイン」では、ヌーヴォー(※)のワインが12月に完成しました。
※ヌーヴォーとは、フランス語で新しいという意味。当年産のワインを表し、その年に収穫したブドウを醸造した新酒ワインのこと。
ふくしま農家の夢ワインでは、すべて手作りで、ワインとシードルをつくっています。1本ずつ瓶詰めし、ラベルも手で貼っています。
ワインをつくるきっかけとなったのは、耕作放棄地や地域の若者不足を何とかしたいと考え、若い世代にも人気のあるワインを作ろうと考えたことでした。
ワインの本場・山梨を視察し、さまざまな知識や技術を学びに通いました。そしてすぐにブドウの木を植え、会社を設立して酒造免許を取得しました。しかも素人の状態から醸造を学び、年々進化させてここまでやってきました。
ワイナリー敷地内には、音楽イベントで使えるステージ、ピザ窯などがありますが、それらも手作り。醸造所や工房も自分たちで改装しました。お金をかけず、身の丈にあったものにしたい、と斎藤誠治社長は話します。
より多くの人に知ってもらう機会を増やすため、ワインセミナーや、ワインに合う料理を探してイベント等を積極的に開催しています。
また、ワインをつくる中で出る副産物を使用したパンを開発し、来年から販売予定です。
勉強会等での努力が実を結び、年々ワインやシードルの品質が上がっているといいます。それはブドウの木も熟成し良い実が取れるようになり、さらに醸造技術も向上していったためです。
ワインやシードルに使用しているものは99%二本松産で、ほとんどが市内東和地域産です。
一番の人気商品は「一慶」。次いで「いまっと」「一仁」と、リンゴを使用した「シードル」。シードルの中でも“王林”を使用した「コトリ」が人気です。シードルは冷やして、ワインは常温で飲むのがおすすめです。
こだわりの食材を使用し豪華な食事が提供されることで知られる、JR東日本の寝台特急「四季島」のメニューに、ふくしま農家の夢ワインの「一慶」「キャトリエム」「コハタG」というワインが採用されており、その高い品質は認められています。
「やっていて良かったと思うのは、人とのつながりは無限大だということ。ブドウ農家、リンゴ農家、東和地域の有機野菜の農家や料理人など、たくさんの輪が広がっています。この輪をもっと広げていきたい。」
と熱く語る斎藤社長。さらにこう続けます。
「ワイン文化をもっと広めたい。日本ワインはヨーロッパにも負けないし、素材の味を十分に生かしています。素材が良いのでワインも良いものができるのです。苦労しているのは、販売面です。農家なので、勉強して美味しく、良いものをつくることはできますが、まだまだ知られていないことが悔しいです。品質の良さは自信を持っていますので、もっと多くの人に知ってもらいたいと思います。」
美しい自然環境を活かし、周囲と共存しながら、おいしいファーマーズワイン、ファーマーズシードルをつくる。そこから地域の活性化につなげている、ふくしま農家の夢ワイン。
9月末頃の収穫祭や、4月・6月には音楽イベントも開催し、人気となっています。ワインやシードルを楽しむのはもちろん、一度は訪れてみたくなる魅力的なワイナリーです。
お問い合わせ
ふくしま農家の夢ワイン
住所:福島県二本松市木幡字白石181-1
電話:0243-24-8170
FAX:0243-24-8172
営業時間:9時00分〜17時00分
休日:不定休