さくら 咲く 未来へ
咲けばちる 咲かねば恋し山桜 思ひ絶えせぬ 花のうへかな
平安時代の女流歌人である中務の詠んだ歌です。
桜の花が咲けば散ってしまうかと心配し、咲かなければまたひたすらに恋しく思われます。
さくらは、春のおとずれを告げ、豊かな実りをもたらす花として、また、人生の転機を彩る花として、人々に愛され、永い歳月の中で育まれてきました。
また、冬から春への移り変わりは、農耕のはじまりや冬の寒さにこごえる日々の終わりを意味します。
こうした期待が、春の訪れを告げる桜の美しさを一層盛り上げる後押しとなっております。
日本人は古来より桜の美しさ、可憐さに心惹かれ、また春の訪れを告げる神や精霊が宿る存在と考えられてきました。
さくらの持つ清楚・明朗、高雅さは日本人の心情を表す花でもあります。
二本松市には「日本さくら名所100選」に選ばれた「霞ヶ城公園」をはじめ、「安達ヶ原公園」や「合戦場のしだれ桜」、「中島の地蔵桜」など、市内各地に桜の名所があります。樹齢千年を超える老古木や一本桜、農作業開始の指標とされる「種まき桜」や「田植え桜」が数多く存在しております。
さくらを植え、守っていただいた多くの桜守、先人の偉業に心から感謝をしております。二本松市は、先人からの大切な桜を後世に継承してまいります。
百年後、千年後の未来のために、さくらを守り育て、さくらを愛する心を広げ、平和で美しい豊かな自然環境、明るい未来をひらいてまいりましょう。
「日本一のさくらの郷 二本松」
桜ほころぶ春、花を愛でる「花の宴」がひらかれることを、さらに、未来にわたり市内全域がさくらに彩られ、市民の笑顔が満ち溢れ、交流が深まることを願っております。
二本松市長 三保 恵一