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市長からの手紙(令和6年10月)

秋を彩る祭囃子の大競演

 

 実りの秋を迎え、金木犀の香りが漂うころ、二本松市の誇る伝統行事が始まります。


 福島県重要無形民俗文化財に指定されている二本松神社例大祭「二本松の提灯祭り」は、寛永二十年に二本松城主となった丹羽光重公が、「よい政治を行うためには、領民にまず、敬神の意を昂揚させること」が重要と考え、領民なら誰でも自由に参拝できるようにした「万民共楽の祭り」です。

 五穀豊穣や商売繁盛、招福、家内安全、無病息災、健康長寿、心願成就、豊楽万民、天下泰平、子どもの健やかな成長など、市民の幸せを願い斎行されます。

 威勢のよいしゃぎりや情緒豊かな角兵衛、祇園、豊囃子などの華麗な祭礼囃子を奏し、街中に響き渡る笛と勇壮な太鼓の音、夜空に浮かぶ紅提灯の神々しい輝きは、まさに荘厳な秋の風物詩です。

 竹田の坂越えでは、若連が一致団結して激しさを極める囃子を奏で、太鼓台を押し上げます。頂上を超えて下りの亀谷坂では哀愁漂う「豊囃子」が響きます。

 上半身裸にサラシを巻いた若連が御神輿を担いで疾走する姿は、見る者の心を熱くします。誰もが太鼓の響きに体を躍らせ、囃子の音色に心を震わせることでしょう。

 7町合同引き廻しをはじめ、根崎・竹田・郭内の三町合同引き廻し、若宮・松岡・本町・亀谷の四町合同引き廻しなど、町内同士の強い絆と郷土に対するこだわりと誇りが感じられる瞬間は、この祭りの醍醐味と言えます。

 「祭り」は、神と人とを一体とし、自然と人間を融合させ、永遠の脈動を保つものです。

 市内各地で開催される針道のあばれ山車、小浜の紋付祭り、万人子守地蔵尊祭り、木幡の幡祭りなども、それぞれに歴史と伝統を受け継ぎながら盛大に斎行されてきました。

 「日本人の心のふるさと」であり、悠久の歴史とともに伝えられてきた「二本松の祭り」を、百年先、二百年先の未来へと永遠に引き継いでいきましょう。

 二本松市の発展と市民の皆さんの平安、繁栄、幸せを心よりお祈り申し上げます。

 

                                                  二本松市長 三保 恵一

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  • 【更新日】2024年9月27日
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